こんにちは。
百合蔵と美句蔵です。
今回は27回目☆
どんどん進めていきますよ★
Contents
今回の歌について簡単な解説
今回の歌は、
■「嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る」
【意味】
貴方が居ないのを嘆きながら一人で寝る、夜が明けるまでの時間がどれほど長いものか、貴方はおわかりにならないでしょう。
【解説】
”嘆きつつ”:貴方がおいでにならないのを嘆きながら。
”ぬる”:寝る。
”明くるまは”:夜の明けるまでの間は。
”かは知る”:ご存じですか。
平安時代は男性が女性のもとを訪ねる通い婚が主流。
一夫多妻制でもあったので、結婚したとはいえ毎晩夫に逢えるというわけではなかったのです。
作者は右大将道綱母。藤原道綱母(ふじわらのみちつなのはは)として知られる、平安中期の歌人です。蜻蛉日記の作者でもあります。摂政関白となる藤原兼家と結婚し、道綱をもうけています。
■「忘れじの ゆく末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな」
【意味】
貴方は「決して忘れまい」とおっしゃいますが、いつまでも心変わりしないなどありえないでしょうから、お逢いできた今日を最後とする私の命であって欲しいのです。
【解説】
”忘れじ”:忘れまい。
”ゆく末”:将来。
”かたければ”:困難であるから。
”けふを限りの”:今日限りで。今日を最後の。
”命ともがな”:命となればよい。
新古今集の詞書に「中関白かよひそめ侍りけるころ」とある歌です。
当時関白だった藤原道隆が作者のもとに通い始めた時に詠まれた歌です。
作者は儀同三司母。
※一番実用性があると思いますので行書と楷書の間くらいの字で書いています★
■実践■練習■
53.嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
このような感じになりました。
5、7、5、7、7で改行して書いています。
最初の「嘆」はクチヘンを右上がりに書いて勢いをつけます。右側のツクリの方も横線は右上がりになるように書きます。最後の線をぐーーっと書いて、上がった分を下げるように重りを付けます。
「つつ」は、最初の方が大きくなるように書いて流れを意識しながら書きましょう。
2行目の「ひとり」は「と」を少し小さ目に書きます。「寝る夜の」は漢字を大きくして、ひらがなを小さくして書きましょう。
3行目の「明」は頻繁に出てくる字ですね。好きなように書いてみてもいいかもしれません。「間」は、モンガマエを省略して書いています。
4行目の「久」は、左右のはらいを止めて書くようにしました。ひらがなの中に入っているので、やわらかく書きましょう。
5行目は、ひらがなの中の、字の大小を付けてメリハリを出しましょう。
「の、と、る」は小さく書くようにします。
54.忘れじの ゆく末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな
このような感じになりました。
5、7、5、7、7で改行して書いています。
意味を読むとけっこう怖い歌ですね。現代だとちょっと危ない人かも(笑)
最初の字の「忘」はナベブタの横線をきれいに書くように意識しましょう。「心」は、やわらかい線を使って横長の形になるように書きましょう。
2行目の「末」は、画数が少ない字ですが、全ての線が大事になります。横線は勢いを付けるように書きます。縦線もしっかりとまって下に向かって下ろして左右のはらいの線に繋げていきます。
楷書でははらう線ですが、今回は止めて書きました。止まる所はしっかり止まってから、ペンを走らせるように書きましょう。
3行目はすべてひらがなです。リズムに乗って書きましょう。
4行目と5行目の最初の字が、「今」と「命」です。両方ともカサがあります。楷書では、右側の線を強く書くのですが、行書の場合は左側の線を大き目に書きます。2画目の右側の線は短めの書いてしっかり止まってから、次の線に向かうようにしましょう。
まとめ
今回は2首ともちょっと怖い女性の歌でしたね。(笑)ピュアといえばピュアなのですが・・・
そういうことも勉強になって面白いと思います★
百首書き終わった時に、絶対字がうまくなっていると思うし、頭も良くなっていると思うし、感受性豊かな人になっているはず★
次に進みましょう★↓↓28回目へーーー★↓↓