こんにちは。
百合蔵と美句蔵です。
Contents
はじめに
今回で11回目。
何首か知っている歌も出てきたのではないでしょうか。
百合蔵は恥ずかしながら、まだ3首くらいしか知っている歌はありませんでした・・・。
でも、覚えていけばいいだけのこと★
100首全部かくぞーーー!
今回の歌について簡単な解説
今回の歌は、
■「今こむと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな」
【意味】
貴方が「すぐに行く」と言ったから、九月の有明の月が出るまで待ってしまいました。
【解説】
”今来む”:すぐに行こう。
”有明の月”:夜が明けたのに空に残る月のこと。
”待ち出で”:待っているところへ出ること。
恋人が来るのを待つ女性の気持ちになって詠んだ歌です。
作者は素性法師(そせいほうし)。三十六歌仙の一人です。俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)で、僧正遍昭(12番歌)の子です。
■「吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐というらむ」
【意味】
吹くとすぐに秋の草木がしおれてしまうので、なるほど山嵐をあらしと言うのだろう。
【解説】
”吹くからに”:吹くとすぐに。
”むべ”:なるほど。「うべ」とも言う。
”山嵐”:山から吹きおろす風のこと。
”あらし”:「嵐」と「荒し」を掛けている。
縦に「山嵐」と書くと「嵐」の字になる文字遊びが隠された歌です。
作者は文屋康秀(ふんやのやすひで)。
※一番実用性があると思いますので行書と楷書の間くらいの字で書いています★
■実践■練習■
㉑今こむと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ちいでつるかな
このような感じになりました。
5、7、5、7、7で改行して書いています。
1行目の最初の「今」を美しく書きましょう。美しく見せるには、最初の1画目の左はらいで決まってきます。
しっかり打ち込みながら入って、ぐっと止めてから少し丸みを出しながら左側にはらっていきます。その流れから右の線に移って、そこからまたつながっていきます。「止め」「はらい」を丁寧に書きましょう。
「こ」「と」は小さ目に書きましょう。
2行目は、ひらがなのみになります。
「い」は横長に。「し」「り」は縦長。「ば」「に」は正方形に。
ひらがなの特徴を強調させるような意識で書くとかっこよく書けます。
3行目、4行目には「月」の字が3箇所出てきます。
ここで大事なポイントです★
百合蔵ブログをはじめの方から読んでいただいている方はもうお分かりかと思います★
同じ字は使わないルールです!
同じ形にならないようにします。ですので、今回も崩し方や形を変えました。最初の左はらいを止めたり、はらいのままにしたりしています。そういう小さな変化で構いませんので是非実践してみてください。
見る人が見れば「勉強しているんだなー」と思うはずです。
今回はペン字なのでできませんが、筆の場合は太さ、細さを変えるだけでも良いです。
㉒吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐というらむ
このような感じになりました。
5、7、5、7、7で改行して書いています。
1行目の頭の字「吹」はクチヘンを右上がりに書いて動きを出します。
2行目は、「の」以外は漢字です。「の」は小さ目に書きましょう。
3行目はひらがなだけですので美しい線で流れを出します。
4行目、5行目の「山」「風」「嵐」はあまり崩さないで書いています。
まとめ
今回は、同じ作品の中に同じ字を使わない、というルールについてお話しました。
豆知識として覚えておいてくださいね★
百首書き終わった時に、絶対字がうまくなっていると思うし、頭も良くなっていると思うし、感受性豊かな人になっているはず★
さあ、どんどん次へ進みましょう★↓↓