癖のない字が書きたい、名前をきれいに書きたい、大人な字に憧れる、字の勉強がしたい。一緒に勉強していきましょう★

書は宝物

宝物のお話

書を通してもらった宝物の話 生徒さんから教えてもらったこと

投稿日:

ある生徒さんのお話

 

大手の不動産会社で働いている方。

セレブと呼ばれるような人をたくさん顧客に持っていて、

やり手の営業マンでした。

 仕事は順調で、いつも忙しそうだし、充実している雰囲気が

伝わってくる方でした。

 

ある日、ちょっと聞いてみたことがありました。

大切なお休みの日や、

忙しい時間をぬってまで、字を上達させようと習いに来て下さっているのが、

不思議に思ってしまったのです。

 そこで、百合蔵は、聞いてみました。

「なんで、ボールペン字を習おうと思ったの?」

と。

 

その生徒さんは言いました。

 

「仕事の関係上、すごいいい大学出てて、お金持ちのお客様を多く見てきているんだけど、

その中で字が上手な人ってすごく少ないことに気づいたんだよね。

読めないような字を書くんだよ。」

「それを見たときに教えてもらったことがないんだな、っていうのと、

気にしてこなかったんだな、と思った。」

 

「せっかく頭も良くて、仕事も成功してるのに、

残念だな、と思ったんだよね。」と。

 

「自分は、お客様の名前を書いたりもするし、自分の名前も書く。

最後にサインをすることもある。

お客さんの名前をきれいに書こうと思うし、

字が汚くて、相手に不快な思いをさせたくないし、

自分もそう思われたくない。

 

頑張って営業して、

最後の最後の自分の字にがっかりしたくない、

堂々とした字で終わらせたい。と思ったから」

とお話ししてくださいました。

 

百合蔵は自分を恥じてしまった。

 

これって私が教えていくべき事なんじゃないか、と。

「教える」時に、字だけ上手になる方法だけでなく、

こういうことを教えていくべきだと。

 

逆に教えられてしまった、と思いました。

 

その時は、ヘンな質問して、恥ずかしいな、と思いました。

でも、今はほんとに聞いて良かったと思っています。

 

今もこのことは、

百合蔵の心の中にふかーーーく残っています。

 

今は海外にお勤めになりまして、

もう生徒さんではなくなったのですが、

書に関わること以外にも、

色々、教わる事が多かった方でした。

 

仕事含めた、生活という中に、

字をきれいに書こう、と思ったこと、

そして、実行に移した事、とても尊敬しました。

 

宿題をやってくることは滅多にありませんでしたが 笑

教室中はとっても真剣で、質問もたくさんあったし、

こういう字をやりたい、とリクエストもありました。

 

私も真剣に、この人が納得する字が書けるように

なんとか頑張ろうと思いました。

 

ずっと、海外で働きたいと思っていたそうです。

彼は、ちゃんと夢も叶えました。

 

尊敬できる生徒さんです。

 

先生でいられたのは1年ほどでしたが

「書」をとおして、

この方の先生になれたのは、

百合蔵の中の宝物です。

 

 

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