こんにちは。
百合蔵と美句蔵です。
今回は37回目☆
早速始めていきます!
Contents
今回の歌について簡単な解説
今回の歌は、
■「高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山のかすみ 立たずもあらなむ」
【意味】
遥か遠くの高い山の峰の桜が咲いたなあ。里に近い山の霞はどうか立たないで欲しい。
【解説】
”高砂”:ここでは山を指す。
”尾上”:山の頂。
”さきにけり”:咲いたなあ。
”外山”:里に近い山。
”あらなむ”:あってほしい。
後拾遣集の詞書に「内大臣の家にて人々酒たうべて歌よみ侍りけるに、遥かに山桜を望むといふ心をよめる」とある歌。
内大臣の藤原師通の邸で開かれた宴席で「遥かに山桜を望む」という題で詠まれました。
作者は前権中納言匡房。
■「憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ 激しかれとは 祈らぬものを」
【意味】
つれなかった人を、私になびかせてくださいと初瀬の観音に祈ったけれど、初瀬の山おろしよ、あの人のつれなさがお前のように激しくなるようにとは祈らなかったのに。
【解説】
”憂かりける”:私につれなかった。
”人を”:恋人を。
”初瀬”:現在の奈良県磯城郡初瀬。ここには有名な長谷寺があり、恋のご利益がある。
”山おろし”:山から吹きおろす激しい風。
”激しかれ”:はげしくあれの意。山おろしと恋人の態度に掛けている。
”祈らぬものを”:祈らないのに。
作者は源俊頼朝臣(みなもとのとしよりあそん)。平安後期の歌人・官人です。
※一番実用性があると思いますので行書と楷書の間くらいの字で書いています★
■実践■練習■
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高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山のかすみ 立たずもあらなむ
このような感じになりました。
5、7、5、7、7で改行して書いています。
1行目の「高」は右下に重りをつけるようにぐっと力強い線で書いてしっかりはねましょう。「砂」は、ツクリの部分の「少」の斜めの線をきれいな曲線で書きましょう。直線ぽくならないように丸く書きましょう。
2行目の最初の「尾」は、最後の線を強調させます。しっかり止まってから大きくはねましょう。
3行目の「咲」はクチヘンを右上がりに書いてその勢いで、二つの点を書きます。二つ目の点を一つ目の点よりもたかい位置に書くようにしましょう。
4行目の「外」は「ト」の縦線をきれいに書きましょう。これが曲がっていたりすると字がかっこ悪くなってしまいます。
5行目は、1字だけ漢字です。ひらがなになじむようにあまりしっかりと書かないようにしました。
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憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ 激しかれとは 祈らぬものを
このような感じになりました。
5、7、5、7、7で改行して書いています。
この歌は、行のさいしょが漢字で、他がひらがなだけという行が4つあります。あまり漢字を大きくかきすぎてしまうと、頭でっかちに見えてしまうので、全体のバランスに注意して書きましょう。
2行目の「人」3行目の「山」は、ひらがなとあまり変わらない大きさで書きました。
最初の「憂」は丁寧に大き目に書きましょう。
2行目の「初瀬」はしっかりめに書きました。
4行目の「激」は正方形の形を意識して書きましょう。
5行目の「祈」は、最後の縦線のはらいの線を丁寧に書きましょう。最後の「を」を少し大き目に書いて締めました。
まとめ
それぞれの歌を字にしたときの字の並び等を見て、全体の構造を想像してから書き出すようにしましょう。
百首書き終わった時に、絶対字がうまくなっていると思うし、頭も良くなっていると思うし、感受性豊かな人になっているはず★
次に進みましょう♪38回目へーーーー↓↓